それはパジャマではありません

20200622
昨日 怪童山本由伸の圧巻ピッチングと チームの顔 T-岡田の気迫で遂に 2020 シーズンの初白星を飾った。しかし試合後に SNS を賑わせたのは由伸のピッチングとそのユニフォームについてである。
何でも 全身ストライプの黒ユニが パジャマのようでダサい という意見が多かった。
これには全く呆れ果てるほかない。実はオリックスが今年用いているサードユニフォームは 1950 年代に阪急ブレーブスが着用していたユニフォームをモチーフとした れっきとした立派で歴史の重みあるユニフォームなのだ。
それを近頃の野球ファンというやつは 全くもって歴史を知ろうとせず ただ単に己の感性に任せ呟いてしまうのだから情けがない。だから 今回はこのように記事を立ち上げたのである。

さて今季我が軍が着用するサードユニフォームは以下のような物である。

全身の黒 勝紺 を基調にストライプが入り 胸には黒く牛が光るといったユニフォームだ。
球団として黒が基調となるのは初の試み というのが公式なのだが これはミスリードだと私は思っている。
(かつて大阪近鉄のビジターが黒だったが これは本筋から逸れるので割愛する。触れただけマシである

我が軍の前身 阪急ブレーブスの歴史は戦前にまで遡る。実はその時代から黒 に白ストライプのユニフォームが使われていたらしいが 戦前戦中にそれを着用する選手の写真は未だ見たことがない。
この黒いユニフォームが時代を彩ったのは 1950 年代の事だ。
1953 年本拠地西宮休場にナイター設備が完成した。これにより同シーズンからブレーブスはナイターゲームを開催することが出来た。
この年のブレーブスはナイター設備という革新の恩恵を最大限に活かし 67 勝中 21 勝はナイターゲームという素晴らしい成績を収め 前年 5 位の成績から堂々のリーグ 2 位にまで躍進したのである。そして人々はナイターに強い彼らをこう呼んだ。夜の勇者

この夜の勇者以降 黒ストライプユニを着用する選手の写真はありがたいことに数が遺されており インターネットにも幾つか公開されている。ここでは朝日新聞 スポーツニッポン 週刊ベースボール スポルティーバに公開されている写真へのリンクを貼っておくので 是非とも閲覧して欲しい。

朝日新聞 バルボンさんの記事
スポーツニッポン(レインズ選手に関する記事)
週刊ベースボール(こちらもレインズ選手に関する記事)
スポルティーバ(バルボンさんの記事)

これらの写真を見てわかるように 今季のサードユニフォームとブレーブスが着用していたユニフォームには大きな差違が存在する。ボタン廻りのデザインとズボンのデザインだ。
ブレーブスのユニフォームはボタン廻りをストライプとは別に襟元から白い線で囲ってある。これは戦前 初代のユニフォームに於いて それは白基調のユニだが 襟元からボタン廻りを赤い線で囲っていた事が関係したのだろうと思われる。
参考(ベースボールキング)

余談ではあるが この阪急軍のユニフォームと 2018 年シーズンに着用したサードユニフォームはどことなく似ている。ユニフォームのデザイン担当は球団史にとても造詣が深い可能性が?

またズボンも当時のユニフォームは太く白い線が入っているのに対し サードユニフォームには盛り込まれていない。
ベースボールキングのユニフォームデザイン史を見ると 今回のサードユニフォームは夜の勇者ユニに 山田久志 OB 会長が入団した当時のストライプも意識されているのだろうか。それならボタン廻りや ズボンのデザイン差違は大いに納得できるものだ。

ただ一つだけこのユニフォームに文句をつけるなら やはり胸元のワッペンは牛ではなく 2018 年サードユニフォーム同様に OB で良かっただろ~~と思ってしまう。

如何だろうか?今年のサードユニフォームはパジャマなどではなく 歴史の重みがある立派なユニフォームなのである。パジャマだのダサいだの思っていた皆々は大いに己を恥じて欲しいと 傲慢になってしまうあ まあ人の感性を改めさせるほど私も偉い人間ではないのでそこは大丈夫だ。
ただ多くの人が見る WEB 番組などにおいて 出演者(声優など が軽々しくパジャマだの宣うのは許容できないかな。影響力を考えてくれ。

ところで我が軍は挑戦的なユニフォームが多い。主に夏の陣とかオリ姫デーのユニフォームの事だが 凡そ野球のユニフォームでは採用しないようなデザインをしていることが多い。チェック柄とか地球 宇宙ユニとかその辺だ。
その辺りのユニもまあ 散々言われたものだがやはり挑戦するのは素晴らしいことで 芸術は爆発なんだから悪くはない。結局勝てばかっこいいんだよ。

余談

オリックスはその残塁数や拙攻も 凡そプロチームらしくない。同様に近頃の応援歌も応援歌の範疇から逸脱している。年々その応援歌は難化を繰り返し 一周回って普通の応援歌が恋しくなる程だ。

等とウダウダ書いていると収拾がつかなくなるからこの辺で締めよう。
要するに 今後もオリックス球団に大いに御期待下さい ということだ。