この球団が何か変えたらどうなるのだろうか
冒頭から失礼するが、 オリックスはとても弱い。
自力優勝の可能性はお盆の送り火に送られる先祖の霊が如く、 今年も潰えようとしている。
その中でファンの反応は様々あるが、 8 割方悲観的で尚且つ両手で収まる程の選手を除いた、 半数の選手 ・ 監督コーチ ・ フロントに対する怨嗟が渦巻いている。
仕方の無い事であるが、 これが弱いチームの現実だ。
今日はせっかくなので私も一つ書いてみたい。
2020-08-15
暗黒って何だ
一般的に B クラスが長引き、 更にチームの状態が最悪で、 何か巷説信ずるに値しないメディアが放つ不協和音<ゴシップ>を鵜呑みにした或る種のヒステリック、 これらの状態を 「暗黒」、 長期間続くことを 「暗黒時代」 と私は定義している。
現在、 我らがオリックス ・ バファローズは 5 年連続の B クラスで、 投壊 ・ 貧打で最悪の状態だ。
更には監督殿に纏わるゴシップ、 雑説も飛び出て確かに 「暗黒」 「暗黒時代」 の定義に当てはまる。
一方で私は、 凡そプロの体を為し得ぬオリックスブルーウェーブ時代を目の当たりにしたので、 一応はプロ野球選手が居並ぶ現在の状態は遙かにマシだろうとついつい思ってしまい、 なかなか現在が暗黒と言われるとピンと来ない物で或る。
(とはいえこれはノスタルジーの類いだろう)
広義では23年間暗黒です
で、 我が軍は A クラスが当たり前の勇者 ・ 阪急ブレーブスの流れを汲むのであります。
強豪チームの後裔がここまで弱いのは先人たちに申し訳がないというものだ。
さて、 オリックスは何時から弱くなってしまったのだろう。
私の父などは、
「土井時代が酷かった」
と日頃申すが、 それでも 3 位なので本当に贅沢贅沢としか言いようがない。
順位だけで見れば第一次仰木政権末期の 2000 年~2001 年頃が暗黒時代の起点と言える。特に大阪近鉄に浴びた優勝決定代打サヨナラ満塁ホームランで何か崩れ去った、 物語が時代が終わった美しさは記しておきたい。
しかしながらパリーグで隆盛を極めた仰木政権が、 呆気なく崩壊したのにも理由がある。だからこそ 「23 年間の暗黒」、 という表現になるのだ。
23 年前、 つまり 1997 年(平成 9 年)に何かが起きた。
本西厚博放出
この出来事には、 エース星野伸之が怒ったと伝えられている。
更に球団は本西と並ぶ守備の名手 ・ 馬場敏文も放出してしまったのである。
この頃、 福良淳一と佐藤義則が引退、 更に中嶋や高橋、 小川博文、 星野伸之、 イチロー、 田口、 長谷川がチームを去った。
彼らを越える選手を残念ながらオリックス球団は見つけることが出来なかった。
こうして数少ない有力選手 ・ 谷佳知は重圧と戦い次第に孤独感に苛まれることとなる。
(先に発売されたブルーウェーブ特集の雑誌に、 谷佳知は当時を振り返り孤独を語った)
そして、 オーナーは政治活動に熱を入れるようになり、 ブルーウェーブはプロチームとしての終焉を迎える。
過去10年の変動歴
これだけ弱いと、 監督交代 ・ フロント一掃 ・ 使えない(ファンの主観、 好き嫌い)選手の粛清が叫ばれる。これは勝てないから仕方の無い事で、 最大の薬は勝つことのみだ。
こう言うのはオリックスが何度も何度も、 そういったことを実行してきた歴史があるからだ。以下に過去 10 年間でどのような変動が起きたのか示していきたい。
フロント遍歴
■ 社長西名弘明(18 退任)→湊通夫
■ 本部長
中村勝広(09 追放)→村山良雄(13.10 異動)→瀬戸山隆三(16 クビ)→長村裕之(19 クビ)→森川秀樹
■ ゼネラルマネージャー
中村勝広(09 追放)、 福良淳一(19 就任)
■ 編成部長
長村裕之(13 異動)→加藤康幸(16 クビ)→長村裕之(19 クビ)→福良淳一
以上である。
10年史
この中で A クラスに入れたのは 2014 年の 1 回のみ。当時は瀬戸山 ・ 加藤体制なんて注目を集めたものだが、 走力を求めた森脇監督に対し重量打線を築き上げると、 見事に頓挫して森脇監督のクビという出来事を生みだしてしまった。
ちなみに 2015 年の森脇監督休養は 2012 年の岡田監督以来 3 年ぶりで、 ブルーウェーブ時代から数えると 4 度目の途中交代であり、 後を継いだ福良監督は第一次仰木政権以降では 10 人目の監督となった。(第二次仰木政権も数えている)
ちなみに福良淳一監督は、 第一次仰木政権以降、 一人の監督が約 4 年も務めたのは初めての監督であり、 現役時代 10 年以上在籍した生え抜き名選手が複数年指揮を採ったのは梶本隆夫以来(79-80)という球団史に残る残る監督と言える。成績も、 何だかんだ 2 年連続最下位の西村監督よりは、 球団初の 2 年連続 4 位を成し遂げているので、 A クラスに入れなかった以外はマシな監督であったとも捉えられる。
10 年間で A クラスに入るチャンスが一番あったのは、 2011 年の伝説 『1 毛差』 だろう。勝っていれば、 08 年以来 2 度目の CS 進出が決まっていた。
試合後の岡田監督の言語不明瞭な会見は来る年へ不安を抱かせるものであった。危険は現実となり、 翌 2012 年は終盤戦の逆噴射と監督の大暴走から始まる選手との争乱。チームは見事に崩れ去り、 9 月 22 日には退任を通告された。更には 「一心同体」 と蜜月関係を誇った村山良雄本部長の策謀(大袈裟)により、 9 月 25 日岡田彰布監督はグラウンドに入ることなく同日を以て解任を告げられた。
悲惨なのは岡田の懐刀高代延博である。彼は既にユニフォームに着替えた状態で、 いざ試合に臨まんといった時に解任を告げられたのだ。これは追放といっても良いだろう。
私はこの解任劇は政治的に見え、 球団のイメージを損ねるものだとも感じたが、 後年岡田が出した暴露本は非常に品がなく、 前年の言語不明瞭、 田口壮との確執、 捕手起用に関するいざこざ、 選手に対する苛烈さを踏まえると、 むしろ村山良雄を褒めるべきなのかも知れない。
森脇監督は 2015 年の交流戦、 巨人戦で上京したところで本社に休養を申し出たことになってはいるが、 ファンからしてみれば解任だろう、 と。
一緒や!誰がやっても!
オリックスは長期政権が皆無だ。
だが最近のヘッドコーチ昇格の例を踏まえると、 福良淳一は 13 年から 18 年の 6 年を数える。西村徳文は 16 年からなので、 現在 5 年目のシーズンだ。そして次期監督に目される田口壮は 2019 年に 1 軍昇格を果たしたので現在 2 年目である。もう 1 年は塩漬けかな?
おいおい、 6 年 5 年やってコレかよ!笑っちまうな!
誰がやっても一緒や!こんなもん。アホちゃう?
田口壮への懐疑の声から、 中嶋 2 軍監督の 1 軍昇格への期待が次第に高まる。確かに中嶋聡は見識高く、 指導者としても信頼性が高い男だ。ただ私は、 彼はあくまでも 「2 軍監督」 のみを受諾したのではないか、 と思うと共に、 彼が抜けたら舞洲の育成プロジェクトが崩壊するのではないかと危惧している。
現在 2 軍は若き力と、 その見本となる中堅選手の躍動で調子が良い。ただ多くのファンが感じておるように、 どうも 1 軍と 2 軍の往来が滞っているのがもどかしい。
西村監督はそこを改めるべきだろう。
福良 GM にも求めるところはある。本来であればライト ・ ジョーンズ、 レフト正尚、 一塁/指名打者に T 岡田とロドリゲスという構想があったのだろう。しかしジョーンズは思った以上に守備が最悪で、 7 月頃にはライト正尚、 レフト T 岡田という布陣となった。
これが最悪だった。T 岡田の膝は次第に疲れ、 結局活躍は一月で終わってしまう。(まあクビ寸前だった選手が 1 ヶ月でも働いてくれたのは立派で、 今も試合に出る気力があるのは賞賛に値する)
そうなると負担を一身に背負うのが吉田正尚である。
彼は守備の負担と厳しいマークから、 打撃の状態を崩してしまう。次第にロドリゲスもジョーンズも打てなくなり、 こうして 2020 シーズンは基礎から崩れ落ちたのである。
(西野の出遅れ、 宜保の怪我、 中川の死球からの不調も最悪だった)
だからこそ 2 軍で調子が良いラオウ杉本を試すべきなのである。守備も打撃も今一つ信用信頼に欠ける選手であるが、 今年のアイツはちょっと違うぜ西村さんよ。
また福良 GM にも文句を言いたい。身体の丈夫なロメロを探してくれい。怪我せず走攻守。無い物ねだりかなあ?
結び
などなど書いていくと、 今日はようやく勝った。
吉田凌にプロ初勝利が転がり込んだ。
とても嬉しい。
ただ正尚が上半身のコンディション不良で早くに退いたのは心配だ。
ジョーンズもホークスの攻撃中にブルペンで打撃練習に励む姿を見せた。ただ、 それが結果に繋がらないのは辛い。
どうにか結果に繋がって欲しい。